2010年2月25日木曜日

ショートカット

家から玉川上水までの路にクランクがある。住宅と駐車場で形成されるクランクをゆっくりと車が通行する様はあたかも自動車教習所のS字クランクの練習のようだ。
このクランクを歩かずに、駐車場を横切ってショートカットする人をたまに見かけると、思わずため息が出る。なぜわずかな距離をショートカットするのか。私がこうした行為に呆れるのは私有地だから、ということもあるが、それはさほど大きな問題ではない。一人前の成人の振る舞いとして品がないからだ。何でも最短を選択しようとするのは競争社会と過密都市生活の弊害だろう。
こうした行き過ぎた合理主義は品格を欠くばかりか、自然破壊につながっている。
井の頭公園の御殿山は武蔵野の面影が残る雑木林とはいうものの、その実は林床がほとんど踏み固められてグランドのようになっている、決して生物多様性に富んでいるはいえない環境である。都市公園なので長年多くの利用者が往来し、遊んできた結果だからやむを得ない面もある。その御殿山にも林床に下草が残っている部分はあり、木柵で囲ってある。
ところがわずかばかりの近道をするためにこの木柵を乗り越え、保護している林床を踏んで横切る不心得者をたまに見かける。言うまでもなく人が歩いたところは道になり、繰り返し歩くことで土は踏み固められ、草木が生えられなくなる。既にあちこち道ができ、グランド化しているのに、この上さらに道を造るか!呆れでは済まず、憤りを覚える。こういう輩がいなくならない限り、御殿山は全部グランドと化してしまう。マイ箸を使い、エコバッグを持ち歩いて買い物袋をもらわないようにしていても、ショートカットして環境破壊していては差し引き大赤字である。

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